アルコール

僕はお酒が嫌いだ。確かに多幸感を感じることはできるが、口に含んだ瞬間に毒でも飲んだかのように体が拒否する。味も香りも嫌いだが、もっと嫌いなのは頭が回らなくなることだ。普段考えすぎな性格の僕からすれば、リラックスできるし、寝つきは格段に良くなる。しかし、酔っている時の僕は、まるで自分自身でないかのような感覚に陥る。おそらく、自分自身を自分自身たらしめているのは思考だと感じているのだろう。見た目どころか顔まで自由自在に変えられるようになった現代では、自分自身を認識する最終手段が思考になっている気がする。そういえば、こんな感じの話を攻殻機動隊でみたかな。僕自身、大した頭を持っていないことは自覚しているし、考えすぎでネガティブな性格が嫌いではあるが、根っこの部分では自分のアイデンティティが好きなんだと思う。最後に自分のことを肯定してくれるのは自分しかいない気がする。